皆さんは「肩を落とす」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
「肩を落とす」という言葉は「肩が落ちている」というカラダの状態だけでなく、「落ち込んでいる」というココロの状態も表しています。誰しも落ち込んでいるときは肩が前に落ち、顔はうつむき加減になります。
逆に「胸をはる」という言葉も「肩を後ろに引いて胸をはる」というカラダの状態だけでなく、「誇らしげである」・「堂々としている」などココロの状態も表しています。
この様に、私達の「姿勢」や「カラダの状態」と「ココロ」は深く、強く結びついています。そして一般的には、落ち込んでいると肩が落ちる、嬉しいと足取りが軽くなる、というように「心の状態が体の状態を決める」と考えられています。
しかし実は、逆に「姿勢や体の状態を変えることで、心の状態を変える」こともできるのです。
一つ実験をしてみましょう。
まず、肩を落としてうつむいて、とっても落ち込んでいる格好をしてみてください。ではその体勢で「楽しいな」とか「嬉しいな」とか声に出してみてください。あるいは、楽しいことを思い浮かべてみてください。
いかがでしたでしょうか?
次に、胸をはって、思い切り笑顔をつくって、「哀しいな」とか「つらいな」とか声に出してみてください。そして最近あった嫌なことを思い出してみてください。
どうですか?
どちらも何か違和感がありませんでしたか?
逆に、肩を落として「哀しいな」とか「つらいな」とか言ってみると、本当に気分が落ち込みそうな感じがあるはずですし、胸をはって笑顔で「楽しいな」とか「嬉しいな」とか言ってみると、何となく元気が出てくるはずです。
この様に、姿勢・表情・しぐさなど、体の使い方一つで、私たちの気持ちや感じ方・ココロの在り方や方向性は変わります。どの様なしくみなのかは分かりませんが、人間の体と心はその様にできています。
「笑う門には福来る」と言いますが、「楽しいから笑う」のは当たり前のことですが、「笑っていると楽しくなってくる」のも本当のことなのです。目線を少し上げるだけでも気持ちは変わります。
姿勢も綺麗な方が見た目や格好もよいものですが、それよりも何よりも、姿勢や体の使い方一つで自分の気持ちが変わるとしたら、普段余り意識することのない自分の姿勢や体の状態に、もう少し意識を向けてみる価値はあるのではないでしょうか?