2015年10月15日木曜日

代替医療は効く?効かない?





かれこれ4・5年前、友人に薦められて『フェルマーの最終定理』という本を読みました。

この本はサイモン・シンというイギリスの作家が書いたノンフィクションの小説で、何世紀もの間証明を拒んできた数学界の最大の問題の一つ、「フェルマーの最終定理」を証明しようとしてきた数学者達の苦闘と、1995年についにこれを証明した現代の数学者の執念や努力を生き生きと描いた傑作で、随分前に読んだのに今でも心に残っているほど面白い本だったことは今でも覚えています。(数学者でない我々一般人が読んでも面白いので是非読んでみて下さい。)




その同じサイモン・シンが、鍼やカイロプラクティック・ハーブ療法など、様々な「代替医療」について書いた本があってずっと気になっていたのですが、先日とうとう500ページ以上ある分厚いその本を読みました。



『代替医療のトリック』(原題 Trick or Treatment)という題名のこの本は、ざっくりまとめると、「鍼・カイロプラクティック・ホメオパシー・ハーブ・オステオパシーなど、現代西洋医学以外のほぼ全ての『代替療法』は全て全く治療効果に対する科学的な根拠がなく、報告されている改善例はおよそ全てプラシーボによる効果であって、この様な非科学的な『代替療法』は全て廃止されるべきである」というような内容でした。






僕は個人的には自分のやっていることはれっきとした正当な「医術」だと思っていますが、世の中的には「代替医療」に分類されるのでしょうから、そこに携わるものとしてこの本の内容に反論点は多々ありますが、世の中にはこういう意見も多いのもまた事実です。



現代主流の西洋医学では、基本的に耳に問題があれば耳だけに着目します。同じ様に鼻に問題があれば鼻だけを、腰の問題は腰だけを、膝の問題は膝だけを、という風に体をパーツパーツに分けて問題を解決しようとすることが多いように思えます。

もちろんそれで治る人も一杯いますし、西洋医学でしか治らない人も数多いのも間違いの無い事実だと思いますが、体はそんなにシンプルにできてないのもまた否定しようのない真実だと知っています。






そう思い始めたのは、まだ中学生の頃、とにかく普通に生活するのも辛いくらい体の調子が悪かった時、痛みや不調が左耳・左鼻・左腰・左膝という様に全ての左半身に出ていて、自分の体の感覚ではそれぞれの痛みは明らかに繋がっていたのに始まりますが、もちろんお医者さんに行ってそういうことを言ってみても「そんなことはありえない」、と全く取り合ってもらえず、納得のいかない思いをしたことを覚えています。


それから随分時が経ち、武術や瞑想の修練をつんで自分の心や体を深く知り、更に治療の道に入って実際に自分がある程度色々な症状を治せるようになった今になってみて、あの時の「繋がっている」という直感はやっぱり間違っていなかったな、と強く思います。





例えば、何故なのかは全く説明できなくても足の脛のツボを使って胃の調子を整えることが出来るのはまぎれもない事実だし、頭の骨を整えることによって腰の歪みが整って痛みが減ったりするのもまた事実です。実際にそれを体感して頂けばで分かると思いますが、これはどう考えてもプラシーボのようなものではないはずです。






僕が思うに、人間の体や心は今の科学や医学で解明されているも遥かに奥が深くて、分かっていることなんてほんのごく一部でしかありません。

地動説が廃れて天動説が広まったように、そんな体と心の深淵がより深く解明され、「正しい」知識が広まって、この本に書いてある様な意見が「そんなこと言ってた時代もあったよね」と言われる日がいつかきっと来ることでしょう。僕も技と心を磨き、皆様の健康をサポートするだけでなく、その様な医学の進歩に貢献したいと思っています。






ちなみに体や心について、今まで読んだ中で僕が一番お薦めの本は、『人はなぜ治るのか』(アンドルー・ワイル)です。医療に関わる全ての方だけでなく、心や体や健康に興味がある全ての方に読んで頂きたい一冊です。




(彼は西洋医学と代替医療の統合を提唱する、その道で最も著名な医師の一人であり、先日参加した国際フォーラムで開かれた日本統合医療学会のシンポジウムにもいらしていました。)








2015年8月30日日曜日

お客様の声 : 30代女性 - 冷え症・生理不順・生理痛


冷え性・生理不順・生理痛



表参道から少し小道に入った、閑静なエリアの地下一階に、とても素敵な雰囲気の施術室があります。私は信頼する友人の勧めでこちらに通わせていただきました。



当時の私は、末端冷え症、生理不順、生理痛、腰痛、肩の痛みなど、全身がガチガチの硬直状態でしたが、先生の丁寧なカウンセリング、手当てをしながら気を流す施術をしっかり、じっくりしてもらうこと半年、見事に症状はなくなりました


今ではかつてまばらだった生理周期も平均的になり生理痛も前ほどなくなり冷えが解消された事により、色んな身体の不調もなくなりました



とても素敵な空間ですし、先生もとても素敵な方です。

効果がじわじわと効いてくる、不思議な気功整体です

ぜひ一度体験していただく事をお勧めいたします。



S・Y様  30代女性








治療のご予約・お問い合わせは
Eva Cuore Body (03-6804-6766)








2015年7月6日月曜日

ルビンの壺と人生





人生ってこの絵みたいなものなのかもしれないな、と今朝起きてふと思いました。



この有名な「ルビンの壷」の絵は、見方によって壷にも向かい合った顔にも見えますが、人生も、見方によって、黒くもなれば白くもなるのでしょう。







私たちは毎日あらゆることに価値判断を加えて生きています。


同じコップを見ても、人によって「あと半分しかない」と思う人もいれば、「あと半分もある」と思う人もいる。

同じように、雨が降っても「ああ嫌だな、ぬれちゃう」と思う人もいれば、「ああ気持ちいい」と思う人もいる。





昔の人達はどうだったのか知らないけれど、どうも私たちの生きるこの現代では、放っておくと、私たちの心は「足りない」部分にフォーカスしがちなようです。



朝起きて、「腕もついてるし、目も見えるし、雨風がしのげる屋根の付いてる所で寝られて、しかもご飯もちゃんと食べられて、ああなんて幸せなんだろう」と思っている人はめったにいない気がします。


寝ても覚めても、「あれが足りない、これが足りない、あれがあれば、これがなければ、」そんなことを考えながら生きているのが普通でしょう。もちろん僕もそうです。





どこかにちょっと傷がある時は大げさに騒ぐわりには、「どこにも傷がない」ということに対しては何とも思わない。

ちょっと熱がある時は辛い辛いと言うけれど、「熱がない」時は「あ~嬉しい」とは思わない。

どこかに痛みがあると周り中の人にあそこが痛いとかここが痛いとか言うわりに、「痛みがない」時は「ね~ね~聞いてよ、どこにも痛みがなくてもう最高」とは言わない。(痛みがあって治った時は言うけれど)




よく考えてみると、それってわりと不思議なことなのかもしれません。







「失ってそのありがたみに初めて気が付くこと」が世の中にはたくさんあるけれど、「失う前にそのありがたみに気づいていられる」ことが幸せに生きるコツなのかもしれません。



目が見えて「あたりまえ」、耳が聞こえて「あたりまえ」。手も足もちゃんと動いて、ご飯が食べられるのが「あたりまえ」。誰かがご飯をつくってくれるのも「あたりまえ」で、お金を稼いできてくれるのも「あたりまえ」。電車が時間通りに動くのも「あたりまえ」で、蛇口をひねれば水がでるのが「あたりまえ」。





でもそれってほんとに「あたりまえ」?


蛇口をひねって水が出たら「お~!今日は水が出る!」と思う地域は世界にたくさんあるし、そもそも世界には水道がない地域の方が広い(はず)。

がんで余命を宣告されたら、生きているのを「あたりまえ」とは思えなくなる。

東京の大空襲の燃え盛る炎の中、子供を抱えて走っていた僕の祖母は、平和な暮らしを「あたりまえ」とは思わなかったはず。(少なくともその時は)






「あたりまえ」だと思ってると、感謝もしないし、価値も感じない。

そんなわけで、「あたりまえ」と思っていることが実はすごいことだ、と気が付くことが、幸せに生きるための第一歩なのかもしれません。





そんな「あたりまえ」と思っていることに一つ一つ気が付いて、感謝の気持ちが湧いてくれば、人生はどこにいようと、何をしていようと、わりと楽しくなってくるのかもしれません。








2015年6月30日火曜日

お客様の声 : 30代女性 - 排卵期の腹痛・胃の不調・冷え・疲労感



排卵痛・胃の不調・冷え・疲労感でお悩みだった女性から頂いたご感想です。少し長いですが、かなり珍しいケースだったので、そのまま載せています。



私は幼い頃から、原因不明の右下腹部の腹痛に時折悩まされてきました。

そのせいで何度か、盲腸の疑いの診断を受けたのですが、検査をすると盲腸ではなく、全く原因がわかりませんでした。



20代半ばの頃でしょうか、たまたま受診した婦人科医院で、基礎体温をつけることを勧められ、なんとなく基礎体温計測を始めてみると、どうもその腹痛は排卵期前後に起きていることがわかりました。

インターネットや本で調べてみると、「排卵痛」というもののようでした。鈍い痛みがほとんどなのですが、ある時耐えられない程の痛みに襲われ、婦人科を受診しました。

その時受けた検査で、双角子宮だということが発覚しました。いわゆる子宮奇形です。実は、3歳の時に右の鼠径ヘルニアで手術をしているのですが、その位置も普段痛みを感じる右下腹部に近く、どうも胎児期にその周辺の発達がうまくいかなかったようです。



その時のお医者さん曰く、おそらく双角子宮がその排卵痛に影響しているのでは?との見解でした。但し、かといってその腹痛がなくなることもなく、それからもほぼ毎月その痛みを感じて生活してきました

対処方法もなく、あまり薬を飲むことが好きではありませんが、腹痛が酷い時には仕方なく鎮痛剤を飲んで紛らわせました。

それともう一つ私が長年悩まされていたのが、からだの冷えや、疲れやすさだるさ、寝て起きても疲労が取れずすっきりしない、身体中のこりが取れない、といった体の不調でした。様々な整体やマッサージなどあちこち通い、正直それにいくら費やしてきたのかわからないくらいです(笑)





ある時たまたま、「最近すごく調子がいい!」と言う友人の話を聞いて、ある施術を受け始めてからだというので、すぐに紹介してもらったのが清水先生の施術を受けるきっかけでした。

施術を受けると、からだの中心がぽかぽかと温まっていくような感じを受けます。

何よりも驚いたのは、胃腸の動きがすぐに活発になることです。施術中に胃がぐうぐうと鳴り出します。もともと胃腸が弱く、消化不良を起こしがちな私は、食後わずか数時間でそのようになることはもう何年もなかったので、とってもびっくりしました。

「先生は魔法使いみたいだ!」といつも面白くなってしまうくらいです。




先生の話はとてもわかりやすく、アドバイスを実践するとすぐに、長年悩まされたのが嘘のように目覚めがよくなり、からだが楽になりました

先生によると、私のからだの冷えはどうも婦人科系統からきているとのことで、それを改善する施術を受けさせていただくことになりました。

20年以上悩まされてきている右下腹部の痛みは、排卵期以外でもその箇所を押すとすごく痛むのですが、治療を重ねていくうちに驚くほど痛みが軽くなっていき、ついには辛かったあの排卵通もほとんど感じなくなったのです。




もうこの先ずっと付き合っていくだろうと思っていた痛みだったので、本当に本当に驚きです。

同じ悩みに悩まされている方がいたら、是非教えてあげたいと思っています。

本当にありがとうございました。



S・M様  30代女性 ファッションデザイナー





7回目の施術後に頂いたご感想です。

まず胃を治してから、右卵巣の周りの違和感を取りました。

(その後何回か続けるうち
完全に痛みはなくなったそうです。)







治療のご予約・お問い合わせは
Eva Cuore Body (03-6804-6766)








2015年6月15日月曜日

体からの「便り」 〜 便秘と腸と体のしくみ























「日本人は腸が長くて、西欧人は腸が短い」と言われることがあります。

そして大抵その話はこう続きます。一般的に言って、草食動物の腸は肉食動物より長い。したがって「日本人は本来菜食に向いていて、西欧人は肉食に向いている」と。



しかし、東大とイギリスのセント・マークス病院の共同研究によると、日本人と西欧人の間で腸の長さに特別な違いは認められなかったそうです。

従って「日本人だから肉食は向かない」という説はどうも嘘のようです。





とは言っても、やっぱり肉ばっかり食べていることは確実に体に悪いのは言うまでもありません。

野菜に多く含まれている食物繊維は、殆ど腸に吸収されずにそのまま便として体から出て行ってしまうために、たんぱく質や脂肪や炭水化物と違って「あまり食べても意味がない」という風に考えられていた時代も過去にはあったそうですが、現在では食物繊維をしっかりとることの大切さが広く認められています。







「便」という字は「便り」と書きますが、「便」はまさに体からの「便り」で、自分の生活や体の状態が良い状態にあるかどうかを教えてくれます。

世間では、「便りがないのはよい便り」なんて言葉もありますが、お通じがないのは全くもってよい便りではありません。

便秘は体に大きな悪影響を与えます。
(どうしてなのかは後で書きます。)


食物繊維は小腸や大腸で殆ど吸収されないかわりに、便を排出しやすくしてくれます。最近はやりのスムージーが体に良いと言われるのも、便秘の人は野菜を多めに食べるようにと言われるのも、このためです。









折角なのでこの機会に、知っているようで意外とちゃんとは知らない、私たちの体の根幹、消化器系の仕組みがどんな風になっているのか見ていきましょう。





私たちの口から肛門までは一本の長い長い「管」になっていて、体の「内側」にあるけれども、外部のものと接するという意味では「外側」でもあります。(土管をイメージすると分かりやすいかもしれません。)

そこでこの「管」には、外敵に対する防御の仕組みが色々備わっています。




まず、口に入ったものは食道を通って胃に入り、ここにしばらく留まります。

あまり意識することはありませんが、私たちが口にする食物には、目に見えない小さな小さな虫や、寄生虫や菌やウイルスなどがついています。何かを食べればどうしてもそういうものも一緒に体の中に入ってきてしまうのですが、胃にいる間に、強酸性の胃液によって、その9割方が死ぬと言われています。





胃で滅菌された食べ物は、その後腸に送られますが、それでもまだやっぱり体に有害な菌やウィルスや虫がいた場合どうなるのでしょうか?

「免疫」という言葉はもうすっかり一般的になって、誰もが普通に使うようになりましたが、実は私たちの免疫組織の7割は腸にあり、そういう有害な菌やウィルスが体内に入らないよう、ここでやっつけてくれます。





それでも死なない強力な菌やしぶといウィルスなどは、体に吸収されてしまう前に腸がそれを察知して排出しようとします。O-157などの大腸菌や赤痢に感染すると下痢が止まらなくなるのはそのためです。これは体が異物を外に排出しようとしておこしているので、こういう時の下痢を止めることは非常に危険です。



(ちなみにH2ブロッカーなどの胃薬は胃酸を押さえる働きがあります。胃薬を飲むと胃の気持ち悪さや痛みは止まるかもしれませんが、殺菌が不十分なままの食べ物を腸に送り込んでいるということになりますので、短期的に使うことは場合によっては必要かもしれませんが、それを長期的に使用することは、体にとって最善の選択ではないかもしれません。)







そんな風に、食べ物は食道を通り胃に入った後、小腸で消化・吸収され、大腸へとたどり着きます。

この大腸では、まだ残っている栄養素も吸収されますが、主に水分の吸収が行われ、この大腸に長い間あればあるほど、食べかすから水分がどんどん吸収されてゆきます。便秘になると便が硬くなるのはそのためで、ひどくなるとウサギのふんのようにコロコロとした便になります。





では便秘になると何がよくないのでしょうか?

ちょっと想像してみましょう。
夏の暑い日に食べ物をそのまま放置しておくとどうなるでしょう?

保存料がガンガンに入っているコンビニやスーパーの出来合い品でもない限り、食べ物は傷んで、変な味になり、変な臭いを発する様になりますよね?




腸の中は40℃近くあるわけで、その中に食べかすが3日も1週間もあるわけですから、当然その間には腐敗も進んでいるでしょう。

便秘がひどい人になると1週間とか2週間とか腸の中に食べかすがあるわけですから、その腐敗した食べかすからでる毒素や有害な物質も、大腸から吸収されて血液にのって体を巡ることになります。





ちょっと細かい話になりますが、小腸や大腸で吸収された栄養分や水分は、血管(門脈)に吸収されてまず肝臓へと運ばれ、その後全身を巡る血液の流れに入ってゆきます。

従って、腸から吸収された毒素や有害な物質も、まずは肝臓に向かいます。それは当然肝臓に負担をかけることになりますし、また肝臓で解毒しきれなかった毒素はそのまま体を巡ることになり、方々に様々な悪影響を引き起こします。


腸の状態が悪いと肌があれたりするのも、そういうつながりで考えてみると不思議なことではないのではないでしょうか?







ということで、野菜をしっかり食べることは大切です。

ちなみに食物繊維には、水溶性と不水溶性の2種類があって、水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になって便をやわらかくし、不溶性食物繊維は便のかさを増やして、それぞれ異なった働きで便を排出しやすくします。

特に便秘がちな方は、もしまだ意識したことがなかったら、その2つの違いを意識してバランスよく食べるようにするとよいでしょう。詳しくはネットで調べると色々出てくるので見てみて下さい。

(
アボカドとか水で洗っちゃだめそうなものは水溶性繊維が多く、レタスのように水で洗って大丈夫そうなものは不溶性繊維が多いです。)





より深刻な便秘で困っている方の中には、下剤を使っている方も多いと思います。しかし、下剤を常用すると自力で便を出す力が弱まるだけでなく、腸内にメラノーシスと呼ばれるシミができて腸の働きが悪化するので、より多くの下剤を飲まなければならなくなるという悪循環に陥るようです。(ちなみにそれは大黄・センナなどの漢方薬でも同じ。)

それだけ困っている人が多いからか、便秘や腸の不調に関する本は何十冊とありますが、今まで読んだ中ではこの本が一番役に立ちそうだったので、ひどい便秘で本気で悩んでいる方はこの本を読んでみることをオススメします。


『快腸!絶好腸!快便力』松生恒夫







こんな風に、「腸」は体全体の健康にとって、とても重要な役割を果たしています。胃や腸は健康の土台です。土台がしっかりしていなければ、体はしっかり働いてくれません。

胃や腸の不調を自覚しているのであれば、まずはそれを治すことがとてもとても大切です。胃や腸は心の状態の影響ももろに受けるので、食生活に気をつけるだけでなく、よい心の状態をつくることも必要です。

食生活を直しても改善されなくて、薬はあまり使いたくない、という場合はご相談ください。特に胃の不調には、必ずお力になれると思います。









最後になりますが、最近炭水化物をとらない糖質制限ダイエットがやたらと流行っているようです。僕は、あれはきっと体に悪いだろうな~と、思っています。歴史の洗礼も受けていない妙な健康法や食事法にいちいち惑わされるのはいかがなものでしょうか?







2015年5月30日土曜日

お客様の声 : 30代男性 - 慢性腰痛・首の痛み


「体のメンテナンスに」


腰痛がひどくなり、疲れがとれなくなり、友人の紹介で通うようになりました。

それまでは、ボキボキと音を鳴らしてくれる評判の整体、ヨガに通っていました。しかし根本的な体のだるさはとれず、得体の知れない病気に侵されているんじゃないかと心配していました。(健康診断の結果は良好でした。)


先生に診てもらうようになってから、長年くたびれた体がほぐされて、バランスが取れるように良くなりました。

お勧めします。



30代男性 M・Y様 カメラマン






治療のご予約・お問い合わせは
Eva Cuore Body (03-6804-6766)








2015年5月17日日曜日

マインドフルネス研修会 @ 聖路加国際大学




























先週の日曜日、瞑想つながりのご縁で、聖路加国際大学で行われた『医療・心理関係者のためのマインドフルネス研修会』にボランティア通訳として参加してきました。


この会は、瞑想をガンに罹った方の心と体のケアとして取り入れている聖路加国際病院の精神腫瘍科の先生方が、ベトナムの禅僧ティクナット・ハンのつくったプラムヴィレッジの僧侶達を招いて開催されたものです。

詳細はコチラ → http://world-meeting.co.jp/mindfulness/


 海外では瞑想がマインドフルネス療法として医療に取り入れられているとは聞いていましたし、日本でも統合医療を推進する一部のお医者さん達などが瞑想を取り入れているのは知っていましたが、これだけ大きく著名な病院でも科をあげて取り入れられ始めているとは知りませんでした。

そのうち今のヨガくらいに瞑想が一般的になる日も遠くはないのかもしれません。

というか、是非そうなって欲しいと思います。そしたら今よりも更に思いやりや慈しみに満ちた社会になるのでは。












2015年5月10日日曜日

唯腸論? ~ 腸の話 その1





「他人の便を腸にいれる」


と聞いて「わ~、いいな~。私もやりたい!」と思う人はまずいないでしょう。普通かなりの抵抗感があるはずです。僕は初めにそれを聞いた時、「え?いやだな…」って思いました。


しかし、これ、最新の治療法の一つで、ある一部の病気に対してはその効果が認められ、治療法として確立しつつあるそうです。



なぜそんな方法で病気が治るのか?

というのが今回の話題です。







現在主にこの治療法が使われているのは、クロストリジウム・ディフィシル感染症という、下痢・発熱・食欲不振・吐き気などを引き起こす病気で、アメリカでは毎年この感染症によって1万5千~2万人の方が亡くなっているとも言われています。


その感染症にかかった人の腸に、元気で健康な人の便を薄めて入れると翌日にはもう元気、みたいなことがあるそうで、実際2013年にオランダでこの感染症の42人を対象にこの治療法を行ったところ、81%が初回で回復したと報告されています。


なぜ他人の便がこの病気を改善させるのでしょうか?







私たちの腸には100兆とも1000兆とも言われる何百種類もの腸内細菌が住んでいて、その重さは、なんと約1、5キロにもなると言われています。(便は水分が7~8割を占めますが、その水分を除いた半分以上はこの腸内細菌の死骸です。)


この腸内細菌の中には「善玉菌」と呼ばれる体に良い作用をするものもいれば、「悪玉菌」と呼ばれるものも、どっちつかずな「日和見菌」というものもいます。(とは言っても現段階ではまだまだ解明されていないことが多いようですが。)





善玉菌や悪玉菌という言葉は多くの方が一度は聞いたことがあるでしょうし、「腸内の状態をよくすることが大切」ということも多くの方が知ってはいるでしょう。しかし、その腸内細菌の種類と数が私たちの健康状態に思っている以上に大きな影響を与えている、ということが科学的にも証明されつつあります。


先ほどの感染症の症状が改善するのも、健康な人の便に住む腸内細菌を植えつけることによって、患者さん達の腸の中の最近の種類や数やバランスが変わり、悪玉菌が減って善玉菌が増え、その結果として健康状態が変わるからです。







また、肥満のラットの腸内細菌を肥満でないラットの腸に入れるとそのラットも肥満になる、という実験から、肥満も腸内細菌が引き起こしている可能性があると考えられています。




他にも便秘や糖尿病、うつ病、そしてがんなどもこの腸内細菌が引き起こしている可能性があると言われ、研究が進められているそうです。


もしこの仮説が正しければ、将来的には健康な人の便(正確には腸内細菌)を腸に入れることが、新たなダイエット法や、糖尿病やガンなどの治療法の選択肢の一つとなる日が来るのかもしれません。







ちなみにこの腸内細菌ですが、私たちの体内にいる腸内細菌の「種類」は、生後3ヶ月~1年くらいの間に決まり、その後は基本的には一生変わらないそうです。(先ほどの治療法のようなことをしない限り)


赤ん坊の腸内は生まれた時は無菌状態ですが、その後母乳や皮膚接触を通してお母さんの腸内細菌を体内に取り入れていきます。子供の腸内細菌の半分以上(~8割?)はお母さんから引き継がれるそうですから、お母さんの腸内環境が整っていることは、子供の将来の健康のためにもとても大切なわけです。





また赤ちゃんは色んなものを拾っては口に入れますが、結果としてそれによって色んな腸内細菌が体内に取りこまれることになるので、むやみやたらとそれを止めたり、抗菌や殺菌にこだわりすぎるのも、本当はあまりよくないことなのかもしれません。


ちなみにパンダやコアラの赤ん坊は土やお母さんの糞をなめる習性があるそうですが、それによってご飯となる笹やユーカリを消化するための腸内細菌をとりいれているとも言われています。人間の赤ちゃんがその辺にあるものを口にいれるのも、もしかしたらこういう所からくる本能的なものなのかもしれません。




その後成長してからは、既に腸内にいる細菌以外は「異物」としてみなされ排除されるため、新たな腸内細菌が腸に住み着くことはできないようです。









では大人になってしまったら他人の便(腸内細菌)を自分の腸に入れる以外に腸内の状態を改善する方法はないのでしょうか?



幸いなことに、そんなことはありません。

それは腸内細菌の「種類」は変わらなくても、腸内細菌の「数」は変わるからで、腸内細菌のうちの体に良いものを増やし、悪いものを減らしていくことは、私たちの生活をあらためることで可能だからです。






腸内環境に影響を与える原因は、睡眠不足やストレス、運動不足や不自然なダイエットなど色々ありますが、中でも食べるものが与える影響が一番大きく、食生活に気をつけてあげることで、腸内環境は大きく変わります。




そのために特に効果が高いと言われているのは、「プロバイオティクス」と呼ばれる「生きたまま腸に届く、体によい働きをする微生物やそれを含む食品」で、具体的には乳酸菌やビフィズス菌などが入ったヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬか漬け・納豆・味噌などの発酵食品などです。


これらの食品は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善させると言われています。今年はそろそろ終わりですが、花粉症などにも効果があるそうなので、毎年花粉症に苦しんでいる方は試してみてください。







他にも食物繊維(野菜)やオリゴ糖も腸内環境を改善するためには大切と言われていますが、それについては次回以降あらためて書きます。





ということで「自分が何を食べたいか」だけではなく、私たちの体のために働いてくれている「腸内細菌が喜ぶゴハン」を食べること。これが健康になるためのコツの一つです。


今回の主題の腸内細菌については、先日されたNHKスペシャルの番組も中々面白いのでオススメです。オンデマンド放送で観られます。







P.S.
ちなみに抗生物質というのはそもそも青カビの殺菌性を応用して作られた薬剤ですが、この抗生物質は腸内細菌を善玉、悪玉を問わず無差別に攻撃してしまうことを考えると、ちょっとした風邪程度で必要もないのに(&そもそも効果もないのに)やたらめったら安易に使うべきではないでしょう。


初めに書いたクロストリジウム・ディフィシル感染症も、かかる人の多くは抗生物質を使用している人だそうです。それは抗生物質により腸内細菌のバランスが崩れ、抗生物質に強いクロストリジウム・ディフィシルという悪玉菌が増えて毒素を生み出し、様々な症状を引き起こすからだ、と考えられています。