「和顔施」という言葉があります。
仏教では、お布施は人を助ける尊い行為であり、お布施をすることは自分の「徳」を積むことになる、という考え方があります。タイなど東南アジアの仏教国ではよく、街の人たちが托鉢のお坊さん達にお礼を言いながら喜捨をしている姿を見かけますが、あれもお布施の一つです。
そして、世の中にはお金以外にも「施し」を与える方法がある、と教えは続き、その一つが「和顔施」です。平たく言うとつまり、「人に笑顔を向けましょう」ということ。
笑顔を向けられて嬉しくない人はめったにいません。周りの人に笑顔を見せて、その人達を幸せな気持ちにすること。これも立派な「施し」の一つだ、と考えられています。タイが「ほほえみの国」と言われるほど柔らかい表情の方が多いのには、こんな背景もあるみたいです。
また、「心と体の不思議」で書きましたが、カラダの状態はココロの状態に影響を与えるので、別に面白いことなど何一つなくても、笑っていると何となく楽しい気持ちになるのは本当のことです。
それに、私たちの殆どの人は、選べるのだったら、しかめつらをしている人より、笑顔の人のそばにいたい、と思うのではないでしょうか?笑顔には人を引き付ける力があります。生まれつき顔が綺麗だけれども硬い表情をしている人よりも、それほど見た目はよくなくても笑顔が素敵な人の方が、魅力的だと僕は思います。
「笑う門には福来る」というのは、笑顔でいることで「自分も楽しく」なり、「周りの人も楽しく」なり、それが結果として「よい縁を運んできてくれる」。ということなのではないか、と僕は勝手に解釈しています。つまり笑顔でいると「いいことづくしで損はない」と。
考えてみれば、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザにしても、中宮寺の菩薩半跏像にしても、もしあの様に微笑んでいなかったら、これほど何世紀もの間多くの人に愛されることはなかったでしょう。
僕はずっと「面白いこともないのに笑えるか」と思って生きてきたタイプですが、ごく最近路線を変更し、なるべくいつでも笑顔でいるよう心がけています。あくまで「つもり」なだけで、いつもそうできているとは言えませんが、実際やってみて何だか今の方がずっといいような感じがします。
お葬式でもない限り、笑顔でいて損することはまずありませんし、何のお金もかかりません。とりあえず、何か楽しくないことがあった時は、笑顔を試してみるのもよいのかもしれませんね。
やっぱり笑顔は大切ですね!
返信削除「和顔施」って言葉初めて知りました。
ありがとうございます!!
ブログってコメントが出来るんですね〜。初めて知りました(笑)。ありがとうございます。
返信削除デール・カーネギー・トレーニングでも笑顔ってありますもんね。稲垣さんの人のよさそうな笑顔は印象に残ってますよ〜!