最近何でもない瞬間に「幸せだよな~」と感じることが多い。
近所の公園を散歩していて、木の葉が風に鳴っていて、木漏れ日がきらめいているだけで、何とも言えない幸せな気持ちに包まれる。雨の音が屋根に響くのを聞いていて、ただいいな、と思える。
そんな何でもないことを幸せだと感じられるようになったことが、何より幸せなのかもしれない。
昔は世界の果てまで旅しても、餓えていた。もちろん楽しかったけれど、満たされてはいなかった。白い砂浜に寝そべって、波音を聴いて、体はのんびりしていても、心はのんびりしていなかった。と今は分かる。
死ぬほど旅したからこそ分かった。
「どこにいるか」じゃないんだな、と。
死ぬほど旅をしたからこそ気がついた。
「あんなに旅をする必要はどこにもなかったな」と。
人生は面白い。
死ぬほど旅をした結論が、「旅をする必要はない」だとは。
有り余るほどお金をもったことはないけれど、多分お金も似たようなものでしょう。と何となく思う。そして他のものも。
きっとそれがこの世界のパラドックスなんだろうな。
ないうちは分からない、欲しい。欲しくてたまらない。
でも死ぬほどあると、なくても同じ、と分かる。
神様、やることが粋ですね。
昔読んだ本にJoyとHappinessは全く違うと書いてあった。
その意味が今ならよく分かる。
旅をすれば楽しい。映画を見れば楽しい。音楽を聴けば楽しい。好きな人と過ごす一時は楽しい。お酒を飲めば楽しい。薬にきまれば楽しい。
楽しいことは世の中にたくさんある。
けれど、楽しいものをいくらかき集めても幸せにはならないのね。残念ながら。
楽しみと幸せは根本的に違う。
楽しさは外側からやってくるけれど、幸せは内側からやってくる。
楽しみはやってきて去っていくけど、幸せはいつでもそこにある。
いつでもあるのに、気がつかない。
いつでもあるから、気がつけない。
これが人生の妙。
よく出来てるよなあ。
禅風にまとめてみた晩秋の雨の日でした。
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